2021/09/18
こちらは、Φ300という小径の水圧鉄管の溶接による補修が必要となる内容に対して、現地での修理・修繕ということで機転を利かせ、フランジ締めに変更するようにした技術提案事例です。
お客様から、壊れた水圧鉄管の修繕作業の依頼をいただきました。実際に現場にお伺いして確認したところ、Φ300という小径の水圧鉄管の溶接による補修が必要となる内容でした。
しかし、Φ300では人が中に入って作業をすることが困難となります。当社の場合は、Φ500程度であれば作業者が水圧鉄管の中に入り込み、水圧鉄管の内部からの溶接や錆止めの内面塗装を行います。ただしΦ300の場合は、内部からの溶接や内面塗装が困難となるため、外径からの裏波溶接による補修となります。
裏波溶接は、外側からの溶接で内部まで溶接を行う手法で、板金加工では配管部品等に対して多く使われる溶接方法です。ただし今回のような内部に高い圧力がかかる水圧鉄管の場合は、配管の肉厚も大きいため、裏波溶接に対し非常に高い技術力が必要となります。
ヤマウラでは、水圧鉄管に対しての裏波溶接にも対応することができる溶接技術はあります。しかし溶接のため時間がかかってしまう点と、現地での修理修繕という点がネックとなりました。
そこで当社では、溶接締めからフランジによる取り合いに変更し、現地溶接作業を無くすことをご提案いたしました。フランジでの修繕の方が、部品点数が増えてしまうこともあり、どうしてもコストは高くなってしまいます。しかし今回は現地での修理・修繕ということで機転を利かせ、フランジ締めに変更するようにいたしました。
水圧鉄管のフランジ溶接に関しても、様々な方法があります。フランジと水圧鉄管を隅肉溶接でする方法や、配管フランジとの突合せ溶接をするという方法もございます。今回はフランジとの隅肉溶接にて対応いたしました。
フランジでの修繕に変更した結果、短期間での水圧鉄管の修繕対応をすることができ、お客様からも感謝の声をいただくことができました。
水圧鉄管の修繕の場合、配管を工場に持ち込めば裏波溶接での修理もすることができます。しかしインフラ系の場合は、すぐに復旧させることも非常に大切な検討材料となります。 ヤマウラでは、インフラ関連の製缶加工設備の製造実績も多数ありますので、お客様のニーズを正確につかみ、現場での即時判断をすることで、最適な修繕対応をすることができます。
小径水圧鉄管の修繕にお困りの方は、製缶加工・装置受託センター.comまでお問い合わせください。
「高品質」「顧客満足度の向上」をモットーとして、さまざまなサービスを展開しています。