2024/12/09
大径リング・大径フランジは、建設機械や風力発電設備、産業機器など、様々なインフラ設備に欠かせない部品です。この大径リング・大径フランジを製造する際は、大型旋盤・ターニングの有無や、加工技術、実績・ノウハウが求められます。
本記事では、インフラ設備を支える大径リング・フランジの概要や用途から、大径リング・大径フランジの加工業者の選定における3つのポイント、そして実際に大径リング・大径フランジを製作する株式会社ヤマウラの特徴、加工・納入まで対応した製品事例まで詳しく解説していきます。
大径リングと大径フランジは、その名の通り直径が比較的大きなリングやフランジのことを指します。大径リング・大径フランジは、建設機械や風量発電設備、産業機器をはじめとした、様々なインフラ設備において、回転効率や荷重分散を支える重要な部品です。この2つの部品に大きな違いはありませんが、およそ下記の通りに用途がやや異なります。
大径リングと大径フランジは、その大きなサイズや用途ゆえに、厳しい公差管理や精度が求められる部品になります。
大径リング・大径フランジが効率的な動作し、求められる機能を果たすためには、下記のような要求事項をクリアする必要があります。
大径リング・大径フランジは、比較的大型部品で、最大径Φ2,500mmにも達します。そのため、2m以上の大径丸物加工に対応可能な大型ターニングセンタや大型旋盤が必要となります。
また大径リング・大径フランジは金属製で重量が非常に大きいため、搬送・設置に耐えられる設備も重要となります。
大径リング・大径フランジは、その用途ゆえに真円度、内外径公差など、高精度な公差管理が要求されます。そして大型製品になると、わずかな寸法誤差が全体の性能に大きな影響を及ぼすため、大型製缶品であっても精密な加工が求められます。
大径リング・大径フランジは、動きも多い過酷な環境下での使用に耐える必要もあります。そのため、長期間の使用を前提とした、ひずみや摩耗を抑える加工技術が求められ、耐久性や安全性まで配慮された設計・品質精度が求められます。
大径リング・大径フランジを製造する際の重要なポイントは、最終製品の品質、納期、そしてコストに直結する「加工能力」を左右する「設備」と「加工技術」、そして「実績ノウハウ」の大きく3点があげられます。
大径リング・大径フランジの旋盤加工では、製品の大きさや形状、そして必要な精度に対応できるだけの設備が必要となります。そのため、加工業者の選定の際にも、保有する旋盤の 最大加工直径、最大加工長、最大加工重量 を確認し、製造したい製品のサイズに対応できるかがポイントとなります。
また、設備の種類も、加工の効率や精度に影響します。 大型リング・フランジの加工においては、大型旋盤、大型ターニングセンタ、立旋盤など高い剛性と精度を備えた設備が必要となります。また、製品の搬送や設置に使用される、クレーンなどの周辺設備も加工業者を選定する際に確認できる要素の1つでもあります。
大径リング・大径フランジの加工では、高い精度が求められることが多く、製造においては「技術力」が製品の品質を左右します。例えば、寸法精度については、真円度、円筒度、平行度などの幾何公差を満たせるかもポイントとなります。公差は製品の性能に直結するため、非常に重要な要素となります。
最後に、実績も重要な指標となります。製品事例なども基に、過去に同様のサイズや形状の大径リング・大径フランジを加工した経験・実績・事例があるかどうか、一品一様のオーダーメイド対応で異なる設計や要求事項に対応可能か、加工業者のそのほかのサービスもみることで、最適な加工業者の選定をすることができます。
大径リング、フランジの製作を検討されていた方々から、当社に実際にこれまでいただいた相談は、およそ下記の通りです。
■Φ2,500の大径リングは製作可能ですか?
■ステンレスの大径フランジを製作してほしい
■Φ800の大径リングを、真円度0.01、内外径公差±0.05で加工してほしい
大型ターニングセンタNeo α-28EXは、大型製缶加工・装置受託センターの主力設備の一つで、なんと最大旋削外径Φ2,800×最大旋削高さ2,000を誇ります。これほど大型のターニングセンタ(立旋盤)を保有している企業は多くありません。さらに、最長L7,000の長尺物を加工できるNC長尺旋盤DL132-700や20トンクレーンなど、重量がある大径・長尺物を加工するための各種設備を保有しております。
また、形状的にターニングセンタや長尺旋盤で加工できない、あるいはチャックできないワークの場合は、大型五面加工機を活用するケースもございます。
「大型製缶加工・装置受託センター」では、長年培ってきたターニング加工・旋盤加工のノウハウを駆使して、内外径公差±0.05であれば基本的に対応可能です(材質や形状によります)。
ワークが回転する旋盤加工では、ワーク自体がしなり、精度を出しにくい場合がありますが、チャッキング方法を工夫することにより高精度に加工することができます。
「大型製缶加工・装置受託センター」は、大径リング・大径フランジのほかにも、巻上機用のドラムシェル、大型プーリー、大型ロープシーブ、タンク、分級機など、様々な大型旋盤加工品の製作実績がございます。
他社で断られてしまったような特殊形状品も、お気軽にご相談ください。
>>「大径リング・大径フランジ 旋盤・ターニング加工」に関する詳細ページはこちら
こちらは、切板から削り出したSUS304の大径リングです。大型ターニングセンタを使用して、外径・内径と仕上げ溶接面の加工と穴あけ加工を実施しました。
「大型製缶加工・装置受託センター」は、このような大径リングを切板から削り出す加工も得意としています。当社が保有する大型ターニングセンタは、最大径Φ2,500まで加工することができ、形状的にターニング加工が難しい場合も、加工方法・チャック方法を工夫して五面加工機で加工いたします。
大径リング・大径フランジの製作をご検討の際は、「大型製缶加工・装置受託センター」までお問い合わせください。
「大型製缶加工・装置受託センター」では、NC長尺旋盤、立形マシニングセンタ、立形旋盤、門型マシニングセンタ、横中ぐりフライス盤といった最新設備から、20t大型クレーンや15m対応のショットブラスト設備までを保有した、日本でも屈指の大型製缶加工工場を構えております。さらに大型製缶加工設備の設置にも工夫を凝らすことで、他社ではできない大型鋼構造物の加工に対応することができます。
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「高品質」「顧客満足度の向上」をモットーとして、さまざまなサービスを展開しています。