2021/09/21
ショットブラストとは、素材に対し投射材(ショット)を吹きつける物理的な表面処理加工のことです。比較的建設業界などで用いられることが多いですが、そもそもショットブラストを施す目的はいったい何でしょうか。
ここではショットブラストの基本から大型加工品に対するショットブラスト(大型ショットブラスト)のポイントまで徹底解説します!
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ショットブラストとは、投射材とよばれる細かい砂粒や鉄の小球をワーク(加工品)に高速で吹きつける表面処理加工のことです。特に、投射材が砂粒の場合はサンドブラストともいわれます。
ショットブラストを施す素材の種類は多岐に渡り、金属をはじめガラス、セラミック、ブラスチック、ゴムなどがあります。
そして、素材により投射材の種類も異なります。ステンレスやスチール、アルミニウムやガラスビーズ、プラスチックなど、こちらも様々な種類のものがあります。
ショットブラストを行う目的は、大きく分けて2つあります。
ショットブラストで投射材を吹き付けると、ワークの表面に細かな凹凸ができ、梨のようにザラザラとした粗い質感になります。この梨のような質感を出す表面処理を「梨地加工」とよびます。
またショットブラストは、溶接で発生した溶接痕や金属のサビ、表面に付着した酸化物を除去することで、ワークの表面をきれいにすることができます。
ショットブラストの目的はワークの表面を整えることだけではありません。表面に無数の凹凸を発生させることでワークの表面積を大きくし、塗装やめっきを長持ちさせるというのもショットブラストの目的の一つです。
また表面に溶接痕やサビ・キズがあると、塗装やめっきがはがれやすくなるとともに、ワークの耐久性も落ちてしまいます。しかしショットブラストを行うことで、サビが進行しづらくなるため、塗装やめっきがより長持ちします。
ショットブラストを施すことでワークの塗装やめっきが長持ちするということはご理解いただけたかと思います。したがって、ショットブラストがよく用いられるのは、塗膜が長期間保護されている必要がある加工物・構造物になります。代表的な業界は、建設・建築・造船などです。主な製品は、橋を支える橋梁、ビルの非常階段の柱、船の外板などで、一般的に風雨にさらされ塗装がはがれやすいものが多いです。
ショットブラストは、めっきや塗装、マシニング加工とともに製缶加工の2次加工として利用されることが多いです。製缶加工やその2次加工として利用されることが多いマシニング加工について、もっと詳しく知りたい方は下のリンクから!!
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これまでショットブラストの概要についてお話してきました。ショットブラストは小さなワークから大きなものまで様々なワークに対応することができます。では、大型のワークに対するショットブラスト(大型ショットブラスト)は、どんなポイントがあるのでしょうか。
大型ショットブラストは基本的にマシンではなく手作業で行います。一般に、マシンを使った自動ブラスト加工は小型~中型のワークに対して行います。というのは、そもそも長尺のワークが入るマシンがほとんど無いからです。
手作業のブラスト加工のポイントは2つあります。1つ目は時間と手間がかかりリードタイムが長くなりやすいというデメリット、そして2つ目はマシンでは難しい複雑形状のワークにも対応できるということ。いずれにしろ、ムラなく正確にブラスト加工を行うことができる熟練技術者がいるということが、良質な製品を製作する必須条件です。
長野県駒ケ根を拠点とする製缶加工メーカーヤマウラ。ヤマウラでは、熟練技術者の手作業による大型ショットブラストが可能です。対応可能なサイズは、最大幅4000mm×高さ4000mm×奥行15000mmとなります。
当社は、国家資格「技術士」(Professional Engineer)3名をはじめとする多数の熟練技術者が在籍しております。そのため、複雑形状のワークに対する手作業でのブラスト加工も得意としております!
さらに、非常に広大な保管ヤードを持っているため、リードタイムを短縮することが可能です。納期やコスト等について、詳しくはご相談ください。
続いて、実際に当社が製作した大型ショットブラストの製品事例をご紹介いたします。
画像をクリックして気になる事例をご覧ください!
大型ショットブラストにお困りの方は、製缶加工・装置受託センター.comを運営するヤマウラエンジニアリング事業部までお問い合わせください!
「高品質」「顧客満足度の向上」をモットーとして、さまざまなサービスを展開しています。