2021/09/21
特殊ねじの一つである台形ねじ。皆さんは、台形ねじの特徴や使用用途についてどれくらいご存じでしょうか?
台形ねじの構造や用途、また長尺台形ねじといった特殊な台形ねじの加工方法を知ることで、設計依頼や選定時のトラブル回避に役立ちます。
ここでは、長尺台形ねじなどの特殊ねじ切加工を行う製缶加工・装置受託センター.comが、その特徴から加工のポイントまで解説いたします。
<目次>
・台形ねじとは?
・台形ねじとボールねじの違い
・台形ねじの用途
・長尺台形ねじを加工するためのポイント
・台形ねじに関する製品事例
・長尺台形ねじのことなら、ヤマウラまで!
台形ねじは、ねじ山が台形のねじです。
ねじ山の角度が30°の「30度台形ねじ」、29°の「29度台形ねじ」がありますが、一般的には30度台形ねじがよく使用されます。
ねじ山が三角形である「三角ねじ」と比較すると、台形ねじは摩擦力が低いですが、製作が容易で高精度な加工が可能という特徴があります。
また、摩擦力が低いことから回転運動を直線運動へ変換する「送りねじ」として利用されています。
台形ねじは同じ送りねじである「ボールねじ」とよく混同されますが、少し異なります。
ボールねじは、ねじ軸とナットの間にボールが入っているため、摩擦抵抗が台形ねじより小さくなります。そのため、長寿命、送り精度が高いため、微小送り、高速送りが可能、剛性に優れているという特徴があります。
反対に台形ねじは、ボールを使用しないことにより安価で製作が可能、自重落下しない・小さいピッチでの製作が可能・ボールが落下しないなどのメリットがあります。
台形ねじは摩耗が少ないため締結には向きませんが、送り量が正確なことから台形ねじは「送りねじ」として、回転運動を直線運動に変換し、位置を移動させる目的に使われます。
例えば旋盤や工作機械の送り用のねじ(親ねじ)に使用されます。
また、頻繁に締め・緩めを行う場合などにも台形ネジは適しているため、万力、ジャッキの締め付けなど、正確な力の運動伝達用として用いられます。
ここまで台形ねじついてご紹介してきました。それでは、ワークが長尺になるとどういった点がポイントになるでしょうか。
ポイントは大きく分けて2つあります。
1点目は、長尺・大型の板材を大量に保管できるだけのストックヤードを保有している必要があります。多くの在庫を抱えられないメーカーは、短納期に充分に対応できない可能性がありますので、メーカー選定の際は注意が必要です。
そして2点目は、大型ワークを加工することができる機械装置を持っていること。
長さ数メートルから十数メートルにもなる長尺ものを加工できる長尺旋盤や大型マシニングセンタを保有しているかがポイントになります。また、そのような材料部品・製品を移動することできるクレーンのような装置も欠かせません。
こちらの記事も併せてご覧ください。
>>>ターニングセンタ(立旋盤)の特徴とターニング加工のポイント
NC長尺旋盤についてよく分かる動画がありますので、ぜひご覧ください!
続いて、実際に当社が製作した台形ねじの製品事例をご紹介いたします。
こちらは、当社が所有しているNC長尺旋盤で製作した長尺台形ねじです。
ゲーの開閉装置用の台形ねじとしてご依頼いただき、製作いたしました。そのほかにもΦ700mmの巻き上げドラムの溝加工の加工実績ございます。
当社では、 大日金属工業のNC長尺旋盤DL132-700を保有しています。 こちらは、最大φ1200mm、心間7000mmまでの加工を行うことが可能です。
県内トップクラスの大型設備を保有する当社だからこそ、お客様のご要望にお答えし、最適な設計を提案することができます。
長尺台形ねじをご依頼する際は、製缶加工・装置受託センター.comを運営するヤマウラエンジニアリング事業部までお問い合わせください!
こちらは、台形ネジ加工の際に高速ネジ切り旋盤を用いて、大幅なリードタイム短縮を実現した技術提案事例です。
2021/09/24
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