2021/06/15
工場で、粒体や流体を運ぶ際によく使われるバケットコンベア。
しかし、バケットコンベアの構造や種類について皆さんはどれくらいご存じでしょうか?
設計依頼時のトラブルを回避するためには、バケットコンベアの運搬物やその搬出方法、特徴を知ることが非常に重要です。
本記事では、バケットコンベアやベルトコンベアを製作する製缶加工・装置受託センター.comが、その特徴から構造、設計のポイントまで詳しく解説します。
<目次>
・バケットコンベアとは?バケットエレベーターとの違い
・バケットコンベアの搬送物
・バケットコンベアの搬出方法
・バケットコンベアは搬送物に合わせて設計する!
・バケットコンベアに関する製品事例
・バケットコンベアのことなら、ヤマウラまで!
機械加工や製缶加工に興味のある方はこちらの記事もご覧ください。
>>五面加工機による大型精密機械加工のポイントと加工事例のご紹介
バケットコンベアとは、チェーンもしくはベルトに、バケット(バケツ)が連続的に取り付けられているコンベアです。バケット内に搬送物を入れることで搬送します。
一般的なベルトコンベアやローラコンベアと比較して、バケットコンベアは粒体や粉体、流体などの非定形な物体も漏出することなく搬送できる点、垂直方向に摩耗性の高い材質でも安定して輸送できる点が利点として挙げられます。
バケットコンベアはよくバケットエレベーターと混同されますが、少し異なります。バケットエレベーターは、バケットコンベアの中でも、垂直搬送に特化したものを指します。そのほかにも、バケットコンベアには傾斜搬送、水平搬送など搬送の種類が様々あります。
バケットコンベアの搬送物には、下記のようなものが挙げられます。
■食品:米、小麦粉、飴、カカオ豆、大豆
■化学:カーボン、農薬、化成肥料
■バイオマス:樹脂フレーク、木質ペレット
■その他:砕石、廃棄物、ガラス
基本的に、バケットに収まるものであれば搬送可能ですので、様々な分野で使用の余地があるでしょう。
バケットの搬送方法は、チェーン式とコンベアベルト式の2種類あります。
コンベアホイルの上部と下部にコンベアチェーンを引っ掛け、そのチェーンのアタッチにバケットを取り付けます。
チェーン式の排出方法としては、搬送物が前のバケットの背面をシュートとして滑り落ちるように排出される「誘導排出」。上部のコンベヤホイルの下に もう一つ小さなホイルを取り付け、バケットが完全に下向きになる形で排出される「完全排出」の2つが一般的です。
>>全長99m 塵芥搬送用チェーンコンベアの製造事例はこちら
上部と下部にローラーを配置し、それらの外周にベルトを取り付け、専用のボルトで直接取り付けます。
排出方法としては、バケツの取り付け位置の間隔が広く、遠心力で物を放出する「遠心排出」が一般的です。搬送速度が早い分、搬送物が破砕しやすいのが特徴です。
仕様にもよりますが、ベルト式の方が通常安価で製作できます。
バケットコンベアは搬送速度を上げることで、搬送量を増やすことができます。しかし、チェーン式の場合、速度を早めることでチェーンが摩耗し、チェーンの取り換え時期が早まります。そのため、取り換え費用を含めるとベルト式の方が安価になるのです。
しかし、搬送物、環境等を考慮してチェーン式でないといけない場合があります。
ベルト式は確かに安価ですが、何らかの原因でベルトに亀裂が入ったり、切れたりするトラブルが発生する場合があります。しかし、チェーン式の場合切れることはまずあり得ません。
ですので、バケットコンベアを導入する際は、バケツ寸法、重量、搬送距離、搬送量、環境を考えた上で、設計する必要があります。
続いて、実際に当社が製作したバケットコンベアの製品事例をご紹介いたします。
こちらは粉体、粒体を垂直方向に搬送する為のコンベアで、オールステンレスにて製作いたしました。広いヤードで仮組立を行い出荷することで現地での据え付けを確実なものにできます。
ご希望されるコンベアの搬送能力、長さ、高さ、重量、一時間当たりの量。また搬送物のサイズ、処理量(どれくらいの速度で搬送するのか)、搬送物の扱い方。そして設置スペースなどをあらかじめ設定したうえで、ご依頼いただけますとスムーズです。
当社では長年の製缶技術を活かし、ペレット、廃棄物といった重量のある運搬物の設計・製作が可能です。また、当社が所有している組立ヤードを活用することで、80M級のコンベア製作を実現いたしました。食品から重たい金属物などを対象とした、ベルトコンベアの製作実績もございます。
さらに、垂直から傾斜、水平搬送などの搬送方法やべルト式・チェーン式など、いずれも設計、製作が可能です。いずれにも対応できる当社だからこそ、お客様のご要望にお答えし、最適な設計を提案することができます。
バケットコンベアやチェーンコンベアなどの特注製造をご検討の方は、製缶加工・装置受託センター.comを運営するヤマウラエンジニアリング事業部までお問い合わせください!
「高品質」「顧客満足度の向上」をモットーとして、さまざまなサービスを展開しています。